畳を作る際に使用する材料、例えば縁(へり)は材料屋さんから仕入れます。もちろん仕入れなので決められたロットで納入され、それを切りながら使っていきます。
するとどうしても使えない長さで余ることが多く、また廃番などもあって縁が残ってきます。捨てればいいのですが、これを使っていただいたお客様からメンテナンスのお仕事があった時のことを思うと、なかなか捨てられずにいました。
ある日、いつもご相談いただいているお客様から畳の相談があり、うかがった際に余った縁の話に。話し込んでいると「残っているなら分けてもらえないか」と、そんな話になりました。
後日、お客様は仕事場に縁を見に来られ、気に入られたものをお持ち帰りに。
1週間後、私が仕事から帰ってくると、
なんと、お客様はテレビで畳の縁でカバンを作ることが出来ることを知り、自ら習いに行かれて、作って私にプレゼントして下さったのです。
こんな風に使えなかった縁を蘇らせて下さったことと、私にと作って持ってきてくださったことが、とても嬉しく感動してしまいました。
お客様に愛されているなと感じた瞬間です。直接受け取る事はできませんでしたが、今、夫婦で使わせていただいています。
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